ひこうき雲
友人が亡くなった。ダーリンと私の共通の友人。
ひとなつっこい笑顔に、ジーンズ姿
酔うといつもユーミンの「ひこうき雲」を口ずさむ
小脇かかえたVAIOノート
それは夢をかなえる宝物
彼の夢、みんなの夢。いくつかなえてくれただろう。
開けばそこが映画館。
開けばそこでお買い物。
ITバブルを上り詰め
それでも、おごったかけらもない人だった。
外車に乗っていても
後輩といっしょにドラム缶の転がる場末で飲みあかし
ビールを飲みながら一日中、
みんなのために花火大会の場所取りをすることだって
楽しむことができる人。
寂しがり屋で
はにかみやで
感動屋で
少年でありすぎたために
ちょっと生き方が不器用だっただけ。
失業、転職、離婚、転居・・・
それでも人にばかり優しくて、人を頼ることをしない人だった。
「世話になりっぱなしで、何もできなかった・・・」
ダーリンは泣いた。
「オレ、怒れないんだよね。ホントは、怒らないといけないんだろうけどさ。怒らなくてもさ、人間だったら分かると信じたいんだよ。でさ、オレが怒られるわけ・・・でも、人を怒鳴ると悲しくなるんだよね。それなら自分が怒られてるほうがマシだよ」
やさしいメカ大好きな人が、外国人労働者の監督なんかになれるわけがない。職業のミスマッチ・・・
「オレ、家にいるとさ、どうしていいかわかんないんだよね。女房と娘二人みんな女でさ、3人にガーって言われると、何から話していいかわかんなくなっちゃうんだよ。いいたいこと、たくさんあるはずなのにね・・・胸がいっぱいになって黙っちゃうんだよね・・・」
どうして、彼の言葉に私は気づけなかったのだろう。彼の信号を察知できなかったのだろう。
一人で死ぬなんて寂しすぎるよ。
まだ、彼の死が信じられない。
ダーリンは自分がビールを飲むたびにグラスを
二つ用意する。
まことさん、享年52歳。
私のパソコンの師匠であり、ダーリンの再婚を応援してくれた人。
許してください。
あなたに受けたご恩を、私たちはどうやって返していけばいいのだろう。
あなたに、もう返せないから、
せめて、あなたに恥ずかしくないように
この世の中に少しずつ、返していこう・・・
ダーリンと私は、夜になると、まことさんの笑顔を感じ
手と手を重ね、瞳を閉じてそう想う。
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コメント
少しだけ、私にも同じ様な人がいます。
もうすぐ1年。
まだちゃんと受け止められていない。
まだ、どうして良いかが解らない。
誰も支えてあげられなかった。
誰にも助けを求めなかった。。。
自分がしっかり生きる事で、子ども達をしっかり育てる事で返していくしかないんだなと私は今、思っています。
投稿: きらら | 2006年7月 6日 (木) 00時32分
友人ではないけれど、でぃはもう1人の『母』のような存在の女性を中学の時に亡くしました
その人はでぃの実母の親友でした
あまりに突然すぎる『死』を、中学生のでぃはしばらく理解出来ませんでした
でぃの母は彼女の力になれなかった事を悔やみました
それから20年以上経ちます・・・
今は、でぃもでぃの母も墓前で彼女に笑って話し掛けています
きっと、いろいろな事がこれからもあります
それでもでぃは、彼女の事を忘れず辛い時や悲しい時・・・
彼女の『死』で教えられた、残された者の『気持ち』を思い出し頑張ろうと思っています
上手く書けなくてごめんなさい・・・
投稿: でぃ | 2006年7月13日 (木) 20時00分