大和リズム
夕飯後、茶碗を洗いながら、オサムが言った。
「あのさぁ、戦後60年って、すげぇ発展しただろ?それはさ、きっと、日本人の欲が増えたからだと思うんだよ。発展したのはいいけどさ、だから犯罪も多くなったし、悪いことも増えたよなぁ」
今社会で歴史を習っているせいなのか?先生に習ったのか?
「江戸時代って何百年もあるけど、そんなに生活は便利にもならねぇし、かわらねぇじゃん。でも、今より欲もなくて、平和だったような気がするんだよなぁ」
聞けば、ふと、なんでこんなに急に日本が発展したんだろう・・・と思うことが多々あるらしい。
「そうだよね・・・欲ばかりじゃ、いつまでたっても幸せになれないよね。もっと、もっとって思ってしまうもんね・・・」
「そうだよなぁ。不便じゃ困るけど、あんまり急に発展しすぎるとさ、よくねぇんじゃないかなぁ」
中学生がそんなこと言うなんて・・・というか、中学生にそんな風に思われる世の中って、私たちはとっても恥ずかしいんじゃないだろうか・・・と思った。
発展と共に私たちが失ったであろうものを、オサムは気づいているのかもしれない。テレビが家族の会話をなくし、ご飯の支度におばあちゃんや子供が手伝うこともなくなった。私のように外に出て働く女性がいれば、子供との接する時間も減ってしまう。車にのれば草木に気づくことも減ってしまう。子供のおやつも出来合いで済ませてしまう・・・
オサムのこの一言は、私にとって本当に重い一言だった。
便利が幸せではない。
それは、オサムと過ごしているととてもよくわかる。すぐに天気予報を見るんじゃなくて、窓を開けて月を見る。
「あぁ、星がでてる。明日は晴れだな」
一生懸命ケーキを焼き、みんなが「おいしい!」と言ってくれるときの喜び。買って来たほうが早いけど、手作りには違うおいしさがあることを、オサムは知っているし、お兄ちゃんたちも知っている。
オサムは、時間に追われて便利さを追求して過ごしている私たちを見て、きっと「それで幸せなの?」という気持ちになったのではないだろうか?
オサムはとっても一つ一つを丁寧に生きている。私にとって、彼と過ごす夜の時間は、とても貴重だ。彼に「人間」として教えられることのなんと多いことか・・・
ここ数日は、とくに短歌づくりをしながら、話しているので、彼の視点のすばらしさに、改めて感服することも多々ある。
下の句だけ作ったり、上の句だけ作ったり・・・下の句で違うの作ったり・・・結構楽しい。
オサム:「下の句で”リズム狂わすあなたの瞳!”ってのはどうだ?」
私:「いいねぇ」
てことでできました!!
オサム
見つめられ
弾いてる指が 震えだし
リズム狂わす あなたの瞳おサル
見つめられ
論理思考は どこへやら
リズム狂わす あなたの瞳
オサム:「今度は下の句”君に会うのは夢のまた夢”さぁ、上の句いってみよう!!」
行ってみよ~!って、バカンスに行くんじゃあるまいし・・・(-_-;)
う~ん・・・と、ようやく考えて
私:「白球を追いし あのころの 君に会うのは夢のまた夢・・・」
さぁ!今度はオサムの番だぞ!
オサム:「これは合作だ。以上、終了!!」
私:「・・・(-_-;)」
ま、合作ってのもオツなものです。できれば、みなさま、私に課題を出したオサムに、ど~ぞ、難しい下の句を与えてやってくださいマセ!!
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